富士山・須走口「ふじあざみライン」観光バス横転1名死亡事故の原因考察(2022年10月13日)フェード現象を習ったことはあるが忘れていたと話している

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観光バス横転1名死亡事故

2022年10月13日午前11時50分ごろ、静岡県小山町須走の県道足柄停車場富士公園線(通称・ふじあざみライン)で観光バスが横転した事故。
富士山の須走口五合目を観光したあと、ふじあざみラインを下る道路で、観光バス(運転手1名、乗務員1名、乗客34人の計36人)が横転しツアー参加者乗客1名が亡くなった。
残る35人全員は重軽傷を負った。
<注釈> その後、21人が死傷に変更となっている。その後、重傷者は8人、軽傷者18人と更に変更発表された。

2名は体が何かに挟まれた状態で車内にとどまっており、救出に時間を要した。
亡くなった74歳女性はバス右側の座席に乗っていたという。
右腕の損傷があり、出血多量が死因の模様。

クラブツーリズムさん主催の日帰り観光バスツアー
『ふじあざみラインで行く!富士山五合目 絶景の駿河湾クルーズ』

–<ふじあさみライン(車窓)>
–富士山須走口五合目[自由散策/50分]【10:40頃着】
–沼津[金目鯛の煮付け、桜海老御飯など伊豆の幸御膳の昼食/50分]【12:10頃着】
–三津浜(富士山望む駿河湾クルーズ/乗船15~20分]【13:40頃着】
–三島わさび工場[工場見学・買物] –道の駅・ゲートウェイ函南[買い物/計30分]【14:30頃着】

須走口五合目から事故現場には約5.5km(バス約20分)、約22個のカーブを曲がっておりたところ。
事故が11時50分頃なので上記の予定行程からだと、須走に10時40分着として50分観光し、11時30分出発して20分後のため、ほぼ予定通りにコースを消化していたと考えられる。
※クルマであれば10分くらいだが、大型バスだと20分前後かかるくらいの急坂。(路線バスはこの区間20分の所要になっている)

しかし、須走口五合目から沼津市まで約40kmある。
途中高速を使って、沼津インターの近くが昼食場所だとしても、バスだと所要60分くらいかかるので、キンメダイの昼食場所には早くても到着は12時30分頃と考えらる。
そんなことはバスの運転手であれば、12時10分着は無理があるとわかっていたことであろう。
20分遅れとなると、船の時間も気になってしまう。(船は貸切で臨時を出してもらえる契約なのかも知れないが・・。)
ただし、船の三津浜への到着時間には余裕がある時間設定となっているので、結局、少し適当な設定だとも感じてしまう。
となると、沼津の食事場所は、実際には裾野市なのか?とも疑ってしまう。




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今にはじまった事ではなく、クラブツーリズムさんの多くのツアーは、観光地優先でなく、全部とは言わないが立ち寄り場所優先で行程を組む。
その立ち寄り場所(昼食・お土産店)に合わせて、観光地(観光場所)をあとから当てはめる?と言う印象。
しかも、観光地はできる限りお金が掛からないところ。
バスの駐車代が不要であったり、入場料が不要であったり。
少しでも利益を出したいので、同じ富士山に行くにしても有料道路で約8000円するスバルラインを避けて、多少道が厳しくても無料のふじあざみラインを使ったりするわけだ。

もともと旅行会社は土産物店、昼食場所、工事見学も、キックバックなどが目当てなので、絶対に寄るのだが普通は、観光地を先に設定してあとからその行程で寄れる土産物店に行くコースを計画する。
しかし、クラブツーリズムさんなどのバス旅行は、行程のルートから大きくはずれても、むりやり土産物店によると言う傾向がある。
すなわち、無茶なスケジュール・行程となっていて、そんなツアーに参加しても、バスに乗っている時間(移動時間)が多くて効率が悪い。
もっとたくさんの観光地に寄れるのだが、土産物店などに寄るためカットしていると言うとわかりやすいか?
※全部んがぜんぶではありませんが。

そもそもクラブツーリズムさんの場合、ツアー会社の資質として問題がないとは言えないと感じる。
昔の旅行会社であれば、ツアー企画担当者が2名で、実際に計画したコースをレンタカーなどで現地を周り、コース時間を測ったり、危険な箇所がないか?確認したり、立ち寄り先のトイレ設備状況など確認したものだ。
しかし、クラブツーリズムさんなどの場合、机の上で計算するだけで、そのような現地視察のコストも掛けず簡単にコースを作っている。
そして、不備があったところは添乗員にカバーさせていると言う印象だ。
行程に無理があるのに、時間が遅れると言うのは運転手のプレッシャーにもなるのだが、これはバス会社の方も同意して頂けることだろう。

ただし、どこに寄るかも旅行商品の魅力を出すためとも言えるので、そのような方針に反対する訳ではないが、不必要に移動時間が長くなれば、その途中でこのような事故にあう可能性が少し大きくなるのは当たり前とも言える。
最大目的地までの行程上にある観光地などに立ち寄るなど、あっちゃこっちゃ寄らない(移動距離が少なくて済む)観光コースが、少しでも安全だと考える。

ふじあさみライン「勾配」

ふじあざみラインは全長11.4km、平均勾配10.4%、最大勾配22%。
同じ富士山五合目でも、河口湖からの観光道路であるスバルラインは全長24km、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%。
富士山ではないが急勾配と言うイメージがある乗鞍スカイラインでは全長20.5km、平均勾配6.15%、最大勾配15%。
日光いろは坂(第1いろは坂)は6.5km、平均勾配6.2%、最大勾配13.4%。

要するに、ふじあざみラインを下る場合には、標高2000mから観光バスでかなりキツイ坂道を降りて行くことになる。
しかも、カーブが多いので減速箇所も多い。
テレビに出演されていたコメンテーターが、坂を10分くらい降りたくらいでブレーキは過熱しないので、ブレーキ故障?と指摘していたが、ふじあざみラインが普通の坂と違う事を把握したうえでの発言なのだろうか?

あと、道路上に黒っぽい土砂がかぶさっていたので、土砂流出があったと言う指摘もあるが、これは見間違えの可能性が高い。
バスが相当なスピードで路肩(のり面)に衝突したので、その衝撃で相当の土砂が道路にかぶさったと言えるだろう。
よって、土砂崩れはなかった(バスが土砂に突っ込んだので、土砂が道路にも出た)と考えられる。

また、道路のブレーキ痕のようなあとが続いているが、これは運転手がカーブを曲がれないと考えたのか、ハンドルを相当右に切ったので、ブレーキではなく、タイヤが道路と擦れた跡とも?考えられる。
後続のバスに乗っていた乗客の話によると、富士山は見えないなど天候が悪く(曇り空)で、道路が若干湿っていたとの証言もあるようだ。

<注釈> 運転手は事故直前「ブレーキが利かない」と話していたとされるが、静岡県警はブレーキが作動していた可能性もあるとみて車体を詳しく調べるとの事。(どうやら、サイドブレーキで減速を試みたと言う事らしい)

<追記> 警察の現場検証によると、およそ400m手前から制御困難な状態となり、200m手前からは対向車線へのはみ出しをくり返す痕跡が確認された。(その後約1km手前から制御不能になったと判明)
<追記> ジェイクブレーキ(補助ブレーキシステム)も効かなかった。
<追記> 運転手はエンジンブレーキと補助ブレーキ(排気ブレーキ)の作動を行ったが効かなかったと証言しているとも。警察は10月18日に御殿場市内にある車両メーカーの工場でバスの検証をするとの事。
<追記> 横転直前のバスの速度が時速90キロ前後に達していたことが判明。

<追記> 新たに乗客の証言がわかってきたので追記する。
異変からバスが横転するまで1~2分だったと言う。
運転手は「ブレーキが利かない」「利かない、利かない、ブレーキが利かない」と言い出した。
女性添乗員が「サイドブレーキ! サイドブレーキ!」と言うも、運転手は「サイドブレーキも利かない」と発言。
<注釈> サイドブレーキは走行中にかけても充分に効くとは限らない。特に重いバスでは。
添乗員は乗客に「皆さん、シートベルトちゃんと締めてください。シートベルト確認してください」と連呼。
黒い土に突っ込んで横転するとシートベルトをしていた乗客は宙づり状態に。(3点式シートベルトだった)
右窓側の乗客は腕を挟まれて動けず、出血もひどく、けいれん状態だったと言う。
午前11時51分、運転手は「バスが横転した」と自ら警察に通報。
遠足で来ていた後続のバス運転手や学校の先生などがフロントガラス壊してなんとか広げると救出をはじめ、ペットボトルの水で傷口を洗うなどしていたと言う。

この証言を聞く限り、少しでも事故被害を和らげるために意図的に土の部分に突っ込んだのか?、偶然にも土の路肩(のり面)だったのか?はわからないが、ベストでなくてもベターな選択として、この場の判断としてできる限り助かる方法(最終手段)を選んだのかも?知れない。(私だったら、速度が上がらないうちに大丈夫そうなところに故意に突っ込む)
谷底に落ちたり頑丈なコンクリートなどに衝突した訳ではないため、シートベルトもしていて路肩の土が緩衝となったのでまだよかったのかな?、横転したため残念ながら死者・重傷者を出しましたが、それでも多くの皆様が助かったのかな?と言う印象を受ける。
ただし、ブレーキ以上は警告が出たり、バスの場合は警告音が鳴ったりするので、その時点(速度が低いとき)に道路上でも良いので、すぐに停車させる必要があったのは言うまでもない。

その後、警察の取り調べで「普段、道路を走るのと同じ感覚で、フットブレーキを使いすぎてしまった」「フェード現象を習ったことはあるが忘れていた」「考えもなく自己流で運転してしまった」と話していると言う。

ミスがあったのであれば運転手を養護することはできないが、自宅にまで押しかけけて運転手の父親から謝罪のコメントを得るなど、知床観光船のときもそうだが、マスコミは家族にまで過剰な取材が必要なのか?疑問を感じる。
そんなに運転手の家族まで追い詰めることをしては、若いドライバーがいなくなり、更に運転手不足となって事故が増えるなど悪循環になる可能性もあるだろう。
亡くなった方やケガした方がいる以上、裁判で有罪になれば罪を償うのは当然であるが、その後、若い運転手の人生を奪うような扱いがあってはならないと感じる。

下記はTwitterにある情報を公式な方法で共有表示したものだが、公開元が削除すると表示もなくなることご容赦願いたい。

事故原因

その後の事故検証によると主な事故原因としては、フットブレーキの多用でブレーキが高熱になり機能が低下する「フェード現象」が発生しただけでなく、エアタンク内の空気圧が下がってエアブレーキも利きが悪くなった可能性があると見られている。
少しずつ新たな事が分かって来ているので、追記をしながらまとめとして掲載する。

出発直後の下り坂にて一定区間、ギアは高速に入っていたようだ。
県警は、そもそもギアを高速にしたままエンジンブレーキを使わずに、下り坂でフットブレーキを多用したことで制御不能につながった可能性があるとみて運転操作の経過を調べている。

すなわち、最初からエンジンブレーキを使わずに下っていたようである。
そして、容疑者は足ブレーキにて速度が落ちない状態になったためか?、エンジンブレーキを使おうと低速ギアに変更を試みたようだ。
ただし、普通のクルマと異なり重量もある大型車の場合、ギア比が低速寄りなので、下り坂などで負荷がかかるとすぐエンジンは高回転になる。
そのため、スピードがある状態で低速ギアに入れるとエンジン故障に繋がるため、大型バスなどには保護機能がある。
今回の場合、途中でギアの変更を試みたが、エンジンの回転数と合わずニュートラル状態となり、ギアチェンジができないよう保護機能が働いたとみて良いだろう。
正確に言うと、シフトチェンジと言うのは、一旦、ギアがニュートラルに入ってから違うギアにかみ合う。
しかし、ギア・チェンジのために操作したが、高回転になるため保護機能が働いたので、ニュートラルからの先のギアに入らなくなったと言う事。
仮にギアが繋がると、タイヤグリップを失ったりギアが破損することもあるので、そのような状況になる前にシフトを変えておかないといけない。
つまりは、未熟であったり経験不足だった可能性もひとつとして考えられる。

また、事故前に、運転席にて警告音が鳴っていたようで、エアタンクの空気圧低下で鳴る警報ブザーだったとみられている。
具体的には、ブレーキをバタ踏みするなど短時間に使い続けると圧縮空気の供給よりも消費量が上回わり、エアブレーキが効かなくなる。
空気圧が下がったのはフットブレーキを使い過ぎたと言う操作ミスによるものか、機器の故障に由来するのかはまだ不明。
仮に不具合がなくても、エアブレーキの作動に必要なエア圧が十分にあることを表示機器で確認しながら運転する必要がある。(少なくなってきたら路肩で止めるなどの対応が必要)

エアーは、アクセルを踏んでエンジンの回転を上げれば貯まるが、下り坂でアクセルは踏めないので使い切ったらブレーキが効かなくなる。
よって警告が出たらすぐに停車させる必要がある。

また少なくとも前輪タイヤはスタッドレスタイヤですり減りも認められるとの事。
もしかしたら、タイヤを使い切るため装着していたとも考えられるが、そうだとすると、タイヤのグリップ力が弱く、ブレーキを多用しないと減速できない状態だったのでブレーキに負担がかかったとも考えられるか?

平均勾配10.4%、最大勾配22%が10kmも続く坂道では、排気ブレーキを間違いなく起動(ON)にして、フットブレーキ(足で踏むブレーキ)も加熱しないよう注意しながら下りて行かないと、ブレーキが効かなくなると言う事はあるだろう。
例えば、前を走っている走行車両がとてもゆっくりだと、後続はブレーキを何回も掛けないといけないので、必要以上にブレーキを使うこともある。
今回はバスの事故の為、その可能性は低いとしても「事故を起こさない」と言うのは、バス運転手の技量と言うか経験が大きくものを言うのだが、今回の事故の運転士は26歳と言うのが気になる。

若い運転手がダメと言う事ではなく、バス運転手としての経験や知識がどれだけ豊富だったのか?
未熟だったのではないでろうか?
若い方でもしっかり経験して安全運転されている方もいるし、ベテランでも安全を軽視する方もいるのでそこの問題だ。
実際に、後続として4台の観光バスもおりてきていたが、その4台は問題なく停車している。(昼食食べず、約5時間現場から出れなかったようなのでお気の毒だか・・。)

<追記> 後続のバス4台には東京都渋谷区立幡代小学校の4年生117人が乗っていたとの事。(1泊2日だったようだ)
事故を起こしたバスがレッカー車で運ばれて、道路が通行できるようになるまで小学生らは約5時間を車内で過ごした。(教員など大人は救助に参加した)
幸い、昼食の弁当を持参していたため、事故で通行が出来なくなった際に、すぐに車内で弁当を食べたようなのと、トイレ付きのバスだったとのこと。
17時過ぎに道路が通れるようになり、御殿場市内の宿泊施設に向った模様、

この26歳運転手は「ふじあざみライン」を下ったのは初めてだったと言う報道もあるが「はじめて」と言うのは誰でも経験することなので、別に安全に通行すれば問題ない事。
そもそも大型バスが事故を起こすような道路は年間通じて通行止になったりする。

いつも同じルートを走る路線バスや高速バスなどでは、実際に走る道路での研修も行いやすい。
また、御殿場にあるような地元の観光バス会社などでは、新人研修でふじあざみラインを3往復する安全教育も行っていると言うが、それを全国のバス会社に求めるのも難しい。

運転手が間違いなく、排気ブレーキのスイッチをONにしていたのか?が、ONにしたとしてもタイミングが適切だったのか?、ずっと使いすぎていたと言う事はないか?とても気になる。
警察は過失運転傷害ですぐに逮捕しているので、運転ミスがあったと言う判断と推測できる。
原因究明が待たれるといったところだ。

普通、若いバス運転手は、路線バスの運転手になったほうが給料も安定する。
しかし、運転手の中には、観光地にも行ける仕事の方が良いと言う考えの方も、もちろんいるので本人の希望で観光バス会社に入ったのだろう。
路線バスも行っている大手のバス会社であれば、最初はいつも同じ道を走る路線バスの経験をさせ、2年くらい経験を積んだ上で観光路線にステップアップさせることも多い。
でも、観光バス専門のバス会社では無理な話だ。

すなわち、小泉政権のときに規制緩和を行い、観光バス事業に参入しやすくなったと言うのも今回の事故の要因とも言えるまでは無いだろうか?




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平均勾配10.4%、最大勾配22%と言う急勾配は、富士急バスさんなども御殿場駅から須走口五合目行きの登山バスも定期運行しているので、多少狭いと言えども道路の悪さなども関係ないし、きちんと道路環境を把握していれば問題ないとは言える。
よって事故調査でバスの整備に問題がないと言う事になると、法律的には事故を起こした運転手の責任となるだろう。

2022年は、自動車事故にしても未熟だな?と感じる事故が増えているように思えるため、自分も含めてより一層安全に注意しなくてはならないと考える。

移動する以上事故はつきものであるが、バス旅行される皆様には、今回のツアーのように、あっちこっちと無理な行程になっていない(乗車時間が短時間で済む)ツアーを選ぶことも、身を守るひとつの手段と言える。

いずれにせよ、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ケガをされた皆様の一日も早くご回復を願いたい。

※全国旅行支援事業の対象ツアーだったとかは関係ない話なので本文では触れなかった。
※どんなバス会社や運転手でもあり得る事故のため、バス会社名や運転手名までの掲載は自粛させて頂いている。(決して小さなバス会社と言う事でもない)

千葉・小学生の列にトラック突っ込む事故【事故現場の地図など】2021年6月

コメント(2件)

  • 鈴木隆昭 より:

    素晴らしい記事に大拍手
     私は旅行会社OBで、営業、企画、誕生を実務としておりました。
    この記事の内容は全く同感で、的を得たないようです。
    大変素晴らしい。記者に感謝!

  • KT より:

    鈴木さま、コメントありがとうございます。
    ご共感賜りましたご様子で幸いです。
    今後ツアーの行程も改善されてくることを期待するばかりです。

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