年末調整・税務署提出書類や提出期限などの手続き解説【ひとり社長】

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ひとり会社・ひとり社長として法人を設立したあとに対応する「年末調整」に関して、税務署などに提出する書類や、手続き方法などをご紹介申し上げます。
年末調整の書類提出期限は翌年1月31日、源泉所得税の納付期限は翌年1月10日となっていることを、まずは、ご理解のうえ、準備を進めて頂けますと幸いです。

下記にてご紹介申し上げている内容は、当方が実際行った方法ですが、すべて正しいと保証できるものではありません。
そのため「ご参考」までに留めて頂けますと幸いです。
ご不明な点がありましたら、税理士・税務署に相談されることをお勧め申し上げます。
何か不利益が生じても、当方では責任を負いかねますので、自己責任にて、ご覧頂けますと幸いです。




タイムスケジュール的には下記の通りになります。




タイムスケジュール

11月
・年内に支払う給与の確定
・従業員から申告書や証明証などを提出してもらう
・従業員提出書類の不備確認と修正対応

12月
・年末調整の計算
・所得税の過不足分の還付または追加徴収
・年末調整関連書類の準備(法定調書・支払調書・源泉徴収票など)

1月
・源泉所得税の納付 (1月10日まで)
・税務署への年末調整関係書類の提出 (1月末まで)
・自治体への住民税関係書類の提出 (1月末まで)
・年末調整関連書類の保管

「年内に支払う給与の確定」は、毎月の給与・賞与を含む「年間の給与」を確定させます。
例えば、月末締め・翌月25日払いの場合には、11月末には年内に支払う給与が、すべてわかっていると言う事になります。
確定した時点で、従業員に申告書・証明書の提出をお願いすることになります。
ひとり社長の場合でも、従業員と同じように、年末調整を行う必要があります。
ただし、定額での報酬ですので、計算じたいは難しくは無いでしょう。




あらかじめお断りさせて頂きます。
お恥ずかしい限りでございますが、小生の場合、ひとり社長で、従業員はおりません。
そのため、毎月の給与計算は下記の無料クラウドのソフトを使用しています。
社会保険料や税金を、自動で計算してくれて、給与明細としてもプリンターで印刷できますので、助かります。

Pay Book

従業員が会社に提出する「年末調整控除申告書」ですが、国税庁が2020年秋から無料で「申告書制作ソフト」を提供してくれています。

年末調整控除申告書作成用ソフト

上記を使用して、毎月の給与データを、入力してみました。
パソコン用のソフトだけでなく、スマホで使えるアプリもあります。
スマホに国税庁のアプリをインストールして、使用可能です。

例えば、保険会社などから控除証明書を電子データにて受け取る必要があります。
これは、年末調整申告書データを作成している途中に、マイナポータル連携があります。
個人のマイナンバーカードが必要になりますが、控除証明書等のデータをまとめて取得でき、年末調整申告書データに反映させることができます。
電子データではなく、従来どおりになる書面(紙)の保険料控除証明書のみが交付された場合でも、年末調整申告書作成用ソフトに「手入力」して保険料控除申告書データを作成することができます。
この場合には、書面の保険料控除証明書を勤務先に提出する必要があります。

上記は、従業員としての年末調整の手続きですが、ひとり社長の場合でも同じく必要ですので、個人レベルとしての申告を上記のソフトにて行いましょう。
なお「年調ソフト」は、申請用につき、実際に年末調整の計算を行って、源泉徴収税額を精算することはできません。
また、小生の場合、3月の確定申告にて、扶養控除や、保険などは控除しますので、年末調整では、行いません。

なお、ひとり社長で、きちんと確定申告をする場合には、上記の各種控除関係の書類は、年末調整で処理しなくても、確定申告の時に申告することが可能なはずです。
よって、個人レベルで提出する、年末調整の書類は、名前や住所などの記入・捺印だけしておいて、その他の記載欄は「空欄」のまま(年末調整では控除を計算しないまま)にして、会社が保管するだけで良いと言う事になります。

本来、給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出することになっています。
しかし、給与の支払者は、税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません(給与の支払者が保管しておくことになっています)




よって、極端な話、年末調整の作業・書類作成は、行わなくても理論上は大丈夫なのですが、何かあった場合に、慌てないためにも、書類はしっかり作って、会社が受理したと言う形で、保管できると良いかと存じます。

ただし、扶養控除等申告書については作成しておくと、毎月の給与支払い時の所得税の源泉徴収額を、低く抑えられます。
※給与所得の源泉徴収税額表の甲欄が適用となる
そのため、扶養控除等申告書の「本年度分」と「来年度分」は、作っておいたほうが良いです。
小生の場合は、月額報酬8万円のため、関係ありませんが・・。

社長に渡すべき書類

給与所得者の源泉徴収票(社長であるあなた個人に、会社から渡すもの)となります。
年末調整を行ったら、すぎに発行したと言う状態だと良いでしょう。

下記より「給与所得の源泉徴収票」のExcelにて、無料で、源泉徴収票を作成できました。

給与所得の源泉徴収票 エクセル

私の場合には、上記で作成して、プリンターで印刷しました。
なお、国税庁には、PDF版もありますので、念のため、ご紹介しておきます。

国税庁サイト「源泉徴収票」PDF

ただし、上記でご紹介した「源泉徴収票」は、金額を入力しても、そのあと、自動で計算される訳ではありませんので、下記にて実際に計算させて、その数字を入力しました。

源泉徴収票の計算ができるサイト

小生の場合、いつも、3月に確定申告を別途行いますので、受給者用 (個人向け用) の源泉徴収票を、確定申告時に反映させたうえで、添付して税務署に提出します。

受給者交付用は、従業員・社長の控えです。
税務署提出用は、税務署に提出します。
市町村用は、市町村に提出します。

源泉徴収簿 (会社保管)

従業員・ひとり社長本人より、年末調整の書類の提出以外に、会社の書類として「源泉徴収簿」を作成する必要があります。
製作時期は、基本的に、本年最後の給料日までとなります。

源泉徴収簿は、当方管轄の税務署では、書類の「配布日」と言うのがあり、基本的には、もらいに行く必要があり、税務署から郵送で届いた書類に入っていませんでした。
そのため、国税庁のサイトにある源泉徴収簿のPDF入力用を使っています。

国税庁サイト「源泉徴収簿」PDF

手入力できるPDFタイプになっており、便利な源泉徴収簿ですので、パソコンにて入力して、プリンター印刷しました。
紙の書面に手書きするより、ぜんぜん、ラクだと思います。
本年最後の給料日までに対応しておけば、問題ありません。
源泉徴収簿は、完成したら、会社で保管しておけば大丈夫です。
源泉徴収簿はあくまで内部書類ですので、税務署への提出は必要ありません。

税務署に提出する書類

年末調整関連で、税務署に提出しなくてはならない書類と、源泉徴収の納税があります。
ここでは、それらの書類などを解説させて頂きます。

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)

複写式になっている「納付書」の上部に、小さく「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」と記載されています。

この納付書は、社長も含めて「全員分」として、まとめて記載することになりますが、ひとり会社であれば、ひとり分だけの記載と言う事になります。
そして、会社が預かっていた、源泉徴収額を、この納付書を使用して、郵便局などで納付手続きを行います。

私の場合、ひとり社長で、報酬額(給料)は月8万円と貧乏なため、給与から源泉徴収で差し引かれる所得税は0円になっています。
そのため、この納付書を使用して、納税しようにも、0円ですので、納税のしようがないのです。
とは言え、何もしなくても良いと言う事では無さそうでして、所得税が0円であっても、その旨を書類として記載し、税務署に提出する必要があるようです。
理由としては、所得税が、住民税などを算出するための元になるためですね。
あとで確定申告する場合でも、念のため、提出しておきましょう。




会社設立時に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出している場合には、納付書の左下に「納期特例分」と記載がある納付書を使用します。
小生の場合、この納付書は、税務署から10月末頃に届いた、年末調整の書類の中に3セットほど入っていました。
3セットありましたが、実際には1セットだけの使用で大丈夫です。
ただし、余ったのは、万が一の再提出時や、次回に使用できますので、捨てないで、保管しておきましょう。

納税額が0円の場合には「¥0」と記載して、納付書を、管轄の税務署の窓口にて、1月10日までに提出します。
郵送でも提出が可能ですが、必ず「控え」は、もらった方が良いので、返信用封筒に切手を貼って、同封したいところです。
私の場合には、郵送で管轄税務署に提出し、返信用封筒にて、受領印が押された控えを送ってもらいました。

納期の特例を受けている場合、この納付書は、年に2回の作業となり、次は7月10日までとなります。




給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

法人ひとり社長だとしても、この「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」が、一番、わかりにくい年末調整関連の書類です。
ただし、ひとり会社の場合には、そもそも、記載する欄が少ないので、要領を得れば、簡単とも言えます。

11月末に税務署から届いた説明の中に「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」と言う、OCR帳票が入っていましたので、それに手書きで記載しました。

なお、用紙じたいは、国税庁のサイトに、PDF版があり、カラー印刷すれば、記載できます。
ただし、直接入力できるタイプではないため、いずれにせよ、手書きで記載する必要があります。

国税庁サイト「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」PDF

書き方ですが、項目は少ないものの、理解するのが大変です。
下記にリンク集をつけましたので、ご参照願います。

書き方参考(1)

書き方参考(2)

書き方参考(3)

小生の場合、ひとり社長であり、なおかつ「1年間の給与等の支払金額が 150万円を超える役員」ではないため、給与所得の源泉徴収票の提出は不要となっています。
そのため、支払調書の提出も不要のようですので、支払調書が不要なすべての項目のとこにある摘要欄に「該当なし」と記載しています。
よって「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」だけ提出致しました

150万円を超えている社長様は、別途、支払調書の作成と提出も必要となります。




給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表も複写式になっています。
法定調書(合計表)も、管轄の税務署の窓口に、1月末日までに提出します。
郵送でも提出が可能ですが、必ず「控え」は、もらった方が良いので、返信用封筒に切手を貼って、同封したいところです。
私の場合には、郵送で提出し、返信用封筒にて、受領印が押された控えを送ってもらいました。
控えがあれば、また、翌年の提出時の見本にもなります。

小生の場合、1月10日までの「納付書」と一緒に郵送しました。

給与支払報告書(総括表)

この給与支払報告書(総括表)は、会社から、従業員の住民票がある市町村の自治体に対して、報告する必要がある書類です。
提出した内容を元に、市区町村役場が翌年度以降の住民税の納付額を決定し、その通知が会社に送付され、個人の住民税の特別徴収を行います。
小生のひとり社長の場合、もともと、とても低い会社報酬(給料)であり、所得税が発生しませんので、会社が住民税を預かる事はありません。
実際には、個人レベルで確定申告をしますので、そこで、住民税などの計算のもとになる所得税が確定し、きちんと個人の住民税も収めて、まじめに、納税義務を果たしております。
そのため、従業員を雇った際に、自治体に届け出する「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を、ひとり社長として未提出のため、この、給与支払報告書(総括表)は、省略したことを、念のため、明記しておきます。




年末調整は、原則として企業(雇用主) の義務であり「故意に怠った」場合、企業は脱税行為として10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を科される可能性があります。

改めてご確認申し上げますが、この記事に、記載させて頂いている事項が、100%正しいとの保証はできません。
最新内容に努めますが、その後、変更になっている可能性もあります。
ご参考までに留め、正確には、税理士・税務署にご相談の上、適切な納税をお願い申し上げます。

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