法人決算【ひとり社長】決算書や申告書作成から提出と納税まで手続き方法

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しがない貧乏ひとり会社・ひとり社長として法人を設立したあとに、毎年やってくる「決算」時の税務署への法人所得税申告と、都税事務所への法人地方税(都民税・事業税)申告に関して、提出する書類や、手続き方法などを、実録に基づきご紹介申し上げます。
まず、当方の法人の前提としては、下記の通りです。

・社長だけひとりいる会社
・株式会社
・税理士はなし
・クラウド会計使用
・決算時期は3月
・赤字決算
・郵送提出

上記の通り、同じ境遇の経営者様には、参考になるかも知れません。
ただし、ご紹介申し上げている内容は、当方が実際行った方法ですが、すべて正しいと保証できるものではありません。
そのため「ご参考」までに留めて頂けますと幸いです。




決算書とは

まず、普段の経理は、クラウド会計のfreeeを使用させて頂いております。
一番安いミニマムプランで、月額2178円(その後、値上がりして2680円)からです。

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普段からたいして取引も多くないので、事業開始してからすぐには契約せずに、あえて決算月になってから利用開始して初年度は少しだけ節約しました。
なお、3月頃は、色々と会計ソフト会社も競争があるようで、ちょうど「キャンペーン」があり、Amazonギフト券などお得に頂けましたのでちょっぴり得した気分です。
ただし、このfreee(フリー)などの会計ソフトでは、法人の場合「決算書」までは作れても、申告書など作れません。
2021年から、ようやくfreeeでも「オプション」として、申告書の作成もできるようになりました。
これは画期的とも考えられますが、別途、利用料が、毎年必要となります。

このように、まず法人で帳簿や経理などを記帳できる「会計ソフト」は「決算書」までは作れるものが多いですが、決算書は申告書ではありません。
個人事業用の会計ソフトや会計クラウドでは、税務署に提出する確定申告書まで作れるものが多いです。
ただし、法人用の会計ソフトの場合、税務申告は複雑なため、決算書を作った先の話となる、税務署や都税事務所などに提出する「申告書」は対応していません。
分かりにくいのですが、決算書は、会社での1年間の決算の書類です。
その書類を作ったあとには、税務署に提出するための「法人税申告書」など、税務署向けの書類を、別途、新たに作る必要があるのです。
よって、会計ソフトを導入していて決算書は作れても、法人税申告書などを作る機能まではないのが通常(普通)なので、1つのソフトですべて完結できないのです。




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決算書を元にした税務申告書の制作・提出だけを、税理士さんに依頼することも可能です。
ただし、それでも、何万円と必要になるのは、変わりありません。
また、その他には、申告に関しては「税務申告ソフト」を使用するか、手書きで申告書に記載するなどの方法となります。
しかし、手書きでは、膨大な書類作成が待っていますので、現実的には厳しいです。
と言う事で、当方では、申告用ソフトを使用する形で、この度、決算時の申告をすべて済ませました。

税務申告用ソフト

freeeでは、2021年より「法人税申告プラン」と言う、1回2万7280円の追加プランができました。
ログインして、法人決算のところに行くと、説明があります。

その他の申告専用のソフトとしては、下記のようなものもあります。

全力法人税 (クラウド型)

税理士いらず

と言う事で、今回は上記の「全力法人税」さんを利用して、法人の決算申告をすべて済ませました。
先に結論から申し上げますと、そんなに難しいことはありませんでした。

普段の会計・経理は、freeeを使用してそのデータを、全力法人税にインポート(読み込み)させて指示通りに入力して行くと、税務申告書が完成すると言う感じです。

どのくらい決算に時間が必要だったのか?ですが、日々の経理が済んでいれば、全力法人税へのインポートと入力は6時間程度。
印刷前の最終チェックと印刷に、3時間程度必要でした。
このようにそんなに難しいことはありませんでした。
小規模で赤字のような小さな会社の場合、まさに税理士さんは不要とも言えます。
当方も、わざわざ法人を設立したのは、稼ぎたいなどの理由ではなく、信用を得たいと言うところがありまして、売上は重視していないところがございます。

決算の申告期限

法人の決算から税務申告するまでの期限は、期末日から2ヶ月以内が提出期限となります。
途中で挫折したりすると、税理士に頼むことになるのも想定して、できる限り早く決算書の作業に着手できると良いでしょう。




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基本的には、国税として税務署と、地方税として地方自治体の税事務所など、2箇所に申告・納税が必要です。

税務署に提出する書類リスト

こちらは税務署に提出する申請書などの書類一覧リストです。

期末日から2ヶ月以内

決算書
法人事業概況説明書
勘定科目内訳明細書
法人税申告書(各種別表)
適用額明細書(必要な方のみ)
消費税の確定申告書・付表 ※消費税の免税事業者の方は申告不要

地方自治体に提出する書類リスト

法人事業税・法人住民税は、法人の住所がある地方自治体に申告する必要があります。

期末日から2ヶ月以内

お近くの都道府県の税務事務所(東京都の方であれば都税事務所)

法人事業税の申告書
法人住民税の申告書 (1枚の用紙で両方兼ねている)

納付書がいつ頃届くか?

近年は、紙の納付書・申告書等の事前送付を、廃止している場合もあります。
<追記> 2024年4月決算以降(2024年5月送付)から申告書などの用紙は郵送されなくなりました。
そのため、そのうち、届いてから決算をはじめようなんて考えていますと、書類が届かず期限を過ぎてしまったと言う事にも、成りかねません。
弊社の場合、東京都税事務所からの法人決算用の書類や法人住民税納付書など(東京都主税局 法人都民税・事業税・特別法人事業税・地方法人特別税 申告書用紙)は、期末から20日後くらいに郵送で届きました。(2023年実例)
税務署からの決済用書類は、なかなか届かなくて、ヤキモキしたのですが、期末から35日後くらいに、遅れて届きました。
3月末決算だったため、5月のGW中に届いたと言う感じです。

<追記> 繰り返しますが2024年4月決算以降(2024年5月送付)から申告書などの用紙は郵送されません。




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なお、1度でも電子申告すると、書類は届かないケースが増えてきているようです。
当方の場合、これらの書類到着を待って、提出は5月中旬に行ったと言う感じです。

税金納付

申告と同時に税金の納付も必要となります。

納付期限

法人税:期末日より2ヶ月以内に納付
消費税:期末日より2ヶ月以内に納付
法人事業税:各都道府県により異なる(東京都の場合、期末日より2ヶ月以内)
法人住民税:各都道府県により異なる(東京都の場合、期末日より2ヶ月以内)

赤字の会社のように、法人税が発生しない場合には、法人所得税(国税)は、納付する必要が、無いようです。(消費税は課税業者ではないため当方では不明)
赤字の場合、法人事業税も必要ありませんが、法人住民税だけは、どこの都道府県でも「均等割」(きんとうわり)の部分は、法人の住民税として納付(支払う)必要性があります。

今回、当方の場合、赤字決算のため都税のみの納付となりました。
納付方法はクレジットカードなどでも可能だと、都税事務所のHPなどには明記されていますが、法人住民税の場合、申告書を郵送や窓口提出ですと、手書きで記載した納付書を作るため、実質、現金での納付になります。(eLTAX除く)

法人税(国税)は、0円のため納付書を記載する必要もないようでして、今回、納付書は作りませんでした。
なお、これは、間違いかも知れませんので、もし、0円でも納付書が必要だった場合には、後日、この説明は修正致します。




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なお、ややっこしいのですが、年末調整の所得税を納める納付書は、預かりの所得税が0円でも、0円の納付書を作成して、税務署に提出し、控えも取得する必要がありますので、念のため、明記しておきます。

個人の住民税とは別の、法人住民税は、赤字決算の場合、法人都民税の均等割額だけ納税することになります
都民税(法人住民税)の納付書への記載欄・記載事項ですが、ボールペンで記入します。
赤字などで法人の所得税がかからない場合「均等割額」だけ住民税がかかります。
全力法人税で印刷した申告書にある「均等割額」と同じ金額を記入すればOKです。
都税の納付書に記載する欄は、02番のところですね。
その他、所得税など税金が不要な項目での「計」の欄は「0」と入れたいところです。
最後の合計額は「¥」マークも入れて記載致しましょう。
あと、住所など、最初から印字されていても、電話番号までは入っていないので、電話番号も入れます。

ちなみに、均等割の住民税は年額 70000円 ですが、法人設立日から1年たっていない場合、月割計算となります。
全力法人税で出力した申告書には、きちんと、月割で計算されていますので、その均等割を支払います。

法人住民税の支払いは、都税事務所に申告書を提出したあと、記載されている納付期限までに、郵便局にて現金で支払えば納付完了です。
領収書は、のちほど会計処理しましょう。
都税事務所に、納付したと言う証明(領収書類)の提出は、不要です。
申告書は申告書、納税は納税で、わけてお考え願います。




申告書を郵送

全力法人税にて、自動で制作された申告書は、PDFで出力できます。
なお、全力法人税は、入力まではすべて無料で利用できますので、難しくないか?、自分でも使いこなせるか?、実際に使ってみて、判断できます。
そして、うまく入力できた場合には、その印刷(出力)段階で、課金(有料)の支払い手続きが必要となります。




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PDFの帳票類を、プリンターで印刷すれば、それを郵送することが可能です。
枚数が多かったので、税務署へはレターパック・ライト、都税事務所には普通郵便(定形外)にて、郵送致しました。
同じものを2部作成し、片方は「控え」として返送して欲しい旨を、別の用紙に記載して、会社の住所を書き、切手を貼った返信用封筒を同封いたしました。
都税事務所からは数日後に、控えが戻ってきています。
ただ、税務署からは1週間以上、返送がなかったです。
なかなか、届かないと、気になってしょうがないです。

もちろん、窓口に直接持って行くことも可能ですが、直接持参する場合、毎年5月25日頃~6月1日は、3月決算の申告書提出で混雑し、都税事務所も税務署も、提出窓口で待たされるようです。

今回、申告書類は「郵送」にて提出致しましたが、やはり、e-TAXなどのほうが、ラクだとは思います。
郵送の場合、自分で印刷する必要があります。
用紙とインクも結構消費します。
インク切れに備えて、事前に予備インクも確保しました。
更には控えを返送してもらう切手代・封筒代など、結構、準備するものがあります。
費用はともかく、切手など、買いに行くと言う準備に必要な部分が、ほんと、時間の無駄です。
それらのことを考慮しますと、電子申請のほうが、印刷する手間などはが不要ですし、控えも自動で残りますし、便利だと存じます。
実際に、80%くらいの法人は、すでに電子申請のようです。
ただ、電子申請はじめようとしても、明日からすぐにできるというものではなく、事前に色々と準備をしなくてはなりません。
そのため、電子申請を予定されている場合には、事前に利用登録などが必要なため、数ヶ月前から、必要な手続きを調べたいところです。




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次は、決算期から3ヶ月以内に申請しなくてはならない、役員報酬の変更に関して、手続きを進めるところです。

改めてご確認申し上げますが、この記事に、記載させて頂いている事項が、100%正しいとの保証はできません。
最新内容に努めますが、その後、変更になっている可能性もあります。
ご参考までに留め、正確には、税理士・税務署にご相談の上、適切な納税をお願い申し上げます。

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