死亡男性は止めに入ったか?【新幹線の殺傷事件】 事件の流れと概要まとめ 2018年6月9日

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2018年6月9日(土)、夜の21時50分ごろ、神奈川県内を走行中の東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ265号」(16両編成・乗客約880人)にて無差別の殺傷事件が発生し、愛知県岡崎市蓑川町の無職・小島一朗容疑者(22歳)が殺人未遂容疑で現行犯逮捕されました。
兵庫県尼崎市の梅田耕太郎さん(38歳、BASFジャパン勤務)が死亡、27歳女性、26歳女性の2人が重傷となっています。




事件概要

のぞみ265号は、東京発、新大阪行きの最終列車で、東京駅を21:23に出発、新横浜駅は21:42に発車しているため、新横浜を出てから3分後の21時45分頃から犯行に及んだ模様です。
この日は、新横浜で東方神起のコンサート(3日間)もあったため、若い女性の乗客も多かったようです。

犯行に及ぶ場面を目撃した女性の話によると、自分より4~5席前の2列シート通路側に座っていた容疑者が、突然立ち上がると、刃物のようなものを、隣席の女性に無言で振り下ろすのが見たと言います。
そして、3列シートの通路側に座っていた女性にも凶行に及びました。
その直後、別の男性と容疑者がもみ合いになり、容疑者が優位に立っているのを見て、その女性は別の車両に逃げたと言います。
「突然のことで、何の前触れもなかった。とにかくみんなパニックだった」と語っています。




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乗客が車両にある緊急ブザーを押したようで、新幹線は、神奈川県綾瀬市落合南付近で緊急停車しました。
12号車から乗客が逃げたあとは、車掌が容疑者を「やめてください」「話を聞きますから」などと、小田原駅に停車するまでの約15分間にわたり説得を試みたと、あとになってJR東海から発表がありました。
車掌は防護のため、外した座席シートを持って近づき、さらに12号車にあったキャリーバッグに持ち替えて「盾」のようにして近づいたと言います。
その説得に対して、容疑者は無言でしたが、刃物を振り回すのはやめましたが、梅田さんに馬乗りになっている状況を続けたとのことです。
小田原駅まで約臨時停車したのが22時04分頃で、そして、警察が容疑者を逮捕したと言うことになります。
逮捕された際、小島容疑者はぐったりしていた男性の下半身付近にまたがるようにしゃがんでおり、警察官に立つよう促されると、素直に応じたということです。

児島容疑者は、事件前には長野にいて、長野市や周辺でしばらく野宿などをして過ごしていたと言う。
そして、東京駅から名古屋駅までの自由券とリュックサックを持って新幹線に乗車しました。
ただし、東海道新幹線の「のぞみ」は、1号車~3号車が自由席で、そのほかの車両は指定席です。
車掌は、新横浜~名古屋間にて、指定席の乗客が指定されている座席に座っているか端末を見ながら確認し、自由席の乗客からはキップを確認します。(指定席はキップ拝見なし)
そのため、自由席券の乗客が新横浜を出た直後までは、どの車両にしても、確認まではしないですが、これは時間的にも仕方ないところです。

新聞紙に包んでいた刃物を取り出すと、通路に倒れこんだ男性に対し、馬乗りになって延々と刃物を振り下ろしていました。
乗客の通報で駆けつけた乗務員は、トランクを盾代わりにして男に近づき、取り押さえようとしていたと言います。
また、他の車両に逃げる乗客に、乗務員は新幹線の座席のシートを外して渡し、身を守るようにと促したとも報道されています。
左の首元を刺された女性は、首から流れる血を手で押さえながら15号車と16号車の間のデッキまで自力で逃れて、その後、乗り合わせていた医者を名乗る男性や看護師の手当て受けました。
負傷した部分は10cm程度えぐられたようで、服は真っ赤に染まり、ガーゼやタオル、乗客のシャツなどで止血を試みましたが「血が止まらない。危ない状態だ」と話していたと言います。

その後、命には別状がないとニュースになっており、27歳女性は左肩や腹に切り傷を負っていましたが、6月10日午後1時ごろ退院し、迎えの車に自分で歩いて乗り込んだという。
もう1人の26歳女性は、頭と首の右側や右手に切り傷があり、出血量も多かったため、経過観察のため6月11日か12日くらいまで入院する見込みと言います。




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先頭の方に近い2号車にもたくさんの乗客が逃れてきたと言います。
刃物は小さめのものと、折り畳み式の大きめの2本が犯行現場の12号車に落ちていたと言います。
38歳男性は首の右側を切られているなど、キズは数十箇所以上で心肺停止であり、搬送先の病院にて死亡が確認されました。

手荷物検査は無理

このような凶悪事件を防ぐことはできるのでしょうか?
JR東海では、2015年6月に、走行中の東海道新幹線車内で起きた焼身自殺を機に、新幹線の全車両に車内防犯カメラを設置するなど、安全対策を進めています。
しかし、新幹線でこのような事件が発生するたびに、飛行機のように「手荷物検査」をするべきだと主張する方がいますが、それは現実的に非常に困難です。

まず、JRの運送約款や法律で、電車に「刃物」を持ち込むことは、禁止されていません。
JR各社の危険物持ち込み禁止案内

ただし、そもそも、刃物を持ち歩いているという個は、銃刀法違反の可能性があります。

航空機の場合は、ハイジャック防止のため、法律で禁止されていますが、新幹線や電車では刃物の持ち込みはOKです。
そもそも、仕事の道具として刃物を持って移動する方もいます。
例えば、寿司職人さんなどは、マイ包丁を持って、店から店に移動(転勤も含む)するわけですし、カッターナイフを持って通学する高校生などの学生も、車内に当然いる訳です。
今回、犯行に及んだ凶器としては、刃物以外に「ナタ」のような折り畳み式の大きめの刃物が使用されていますが、ナタも「仕事で使うため」と言われてしまえば、検査で発見しても、押収するのは現行では難しい訳です。

仮に法律改正して、新幹線に刃物持ち込み禁止にしたとしても、新幹線の定員は1編成1323人です。
その1000人乗った新幹線が、1時間に30本~40本程度、運転しているわけですので、30本としても、1時間に3万人が乗車しています。
仮にX線検査したとすると、当然、出発時間よりも「早く」駅に行く必要がありますので、そうなりますと、検査の時間がかかると言うことよりも、検査を終えたあと、狭いホームや駅構内に、人がたくさん溢れてしまいます。
羽田空港のように、駅施設がとても大きければ収容できますが・・。
1日45万人以上の乗客を運んでいる東海道新幹線ですので、なかなか難しいのです。

仮に空港と同等の検査をするとしても、最新の保安機で1レーンあたり1時間250名が限界ですので、手荷物検査の処理速度の問題もあります。
ピーク時には3分に1本の新幹線が走っているわけで、山手線同様に頻繁に入っているのが東海道新幹線ですので、今回の事件もいわぱ通勤電車での凶行と変わりないのです。
仮の話ですが、今回の容疑者が、より閉鎖・密閉されている通勤電車で実行していたら、もっと、たくさんの犠牲者が出ていた可能性も高い訳です。
電車での犯行を防止するためには、極論ですが、普通の電車でも手荷物検査をするしかなくなってしまいます。

もちろん、できることであれば、手荷物検査(セキュリティーチェック)したほうが、より安全になりますし、私も毎回安心して新幹線に乗れます。
しかし、現実的に無理なのです。
以上のことは、普段から新幹線を利用している方であれば、理解できることであり、そんな方は手荷物検査は無理だとわかっています。
となると、鉄道会社にできることは、警備員を車内巡回させるなど、限られます。




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今回は新幹線の車内ということで、大変注目をあびていますが、刃物を持った男が無差別に指すと言うのは、新幹線でなくても発生する可能性がある事件です。
普通の在来線の車内でもあり得るでしょうし、歩道などの路上でも秋葉原の事件のようにどこで事件が起きてもおかしくない事案です。
そうなりますと、極端な話、完璧に対策するには、普通の電車や路線バスに乗車する乗客も、手荷物検査したり、学校近くの歩道を歩いている人に対しても、手荷物検査しなければならなくなります。

ちなみに、2027年に開業予定のリニア中央新幹線に至っては、中間駅では無人駅(機械化)するとしていますので、セキュリティー対策は難問です。
根本的には、日本と言う治安の良さが歯止めになってのですが・・。
となりますと、乗客を安心させるためにも、2両に1人の警備員を配置するのが今のところ、できる可能性が高い現実的な安全対策かなと思います。
ただ、警備員を配置するにしても、無能で動かないような警備員では意味がないですし、難しいですね。

私からの提案としては、新幹線の駅と駅の間隔は「長い」ので、その途中に緊急停車スポットとなる仮設の救助施設を設置して頂きたいと願っています。
今回も犯行の直後に緊急停止して、その後、また発進して小田原駅まで行って臨時停車しました。
犯行時間から17分後に小田原駅に到着しています。
仮に中間地点に臨時停車できる緊急のスポットでもあれば、17分もかからず、もっと早くたどり着けたと思うんです。
新幹線の中より100当番通報しているわけですし、救急車も要請すれば5分程度で到着できるでしょう。
それでしたら、もしかしたら、被害者をもっと早く搬送できて、命が助かったもしれません。

容疑者の実像

小島容疑者は愛知県一宮市出身で定時制高校を卒業するまで一宮市で育ったと言います。
中学2年生の時から不登校になり、4年程前まで、一宮市の自立支援施設に入所していました。
その後、職業訓練校を経て埼玉県の会社に就職し、機械のメンテナンスの仕事をしていました。
しかし、約1年後に「人間関係が合わない」と言って退職したほか、実家の両親とトラブルがあり、2016年4月ごろから岡崎市の伯父方で暮らすようになったと言います。
伯父の家では2階の部屋に引きこもり、パソコンを触っていました。
「自分は価値のない人間だ。自由に生きたい。それが許されないのなら死にたい」などと話していたそうです。
小島容疑者は自閉症と診断され、2017年2月~3月には岡崎市の病院(精神科)に入院していました。
2018年1月になって「旅に出る」と言い残し、自転車に乗って自宅を出ました。(家出)
ただし、それ以前にも何度か家出したことがあったと言い、捜索願などは出されていませんでした。
小島一朗容疑者は、小田原署の調べに対し「半年ほどホームレスをしてた」「新幹線の中で殺意があって、人を刺したことは間違いありません」「むしゃくしゃしてやった。誰でも良かった」と容疑を認めているということです。




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12号車の乗客は、小田原駅のホームなどにて、全員が座っていた席や身分などの事情聴取を受けたようです。
その後、のぞみ265号は乗客を乗せて、6月10日午前0時50分過ぎ、三島駅へ移動を開始。
三島駅にて別の新幹線に乗り換えて、名古屋・新大阪へ向かいました。
名古屋駅には定刻より3時間以上遅い、6月10日午前2時15分に到着。
新大阪駅に着いたのは午前3時過ぎとなりました。
JR東海は、名古屋駅と新大阪駅に、列車ホテルを用意して、始発まで足がない乗客に対応しました。

死亡した梅田耕太郎さんは止めに入ったか?

横浜での研修を終えて新横浜から乗車したと兵庫県尼崎市の梅田耕太郎さん(38)は、小島一朗容疑者の凶行に対して立ち向かったため、犠牲になった可能性があると報道されています。
12号車にいた女性の話によりますと、『やめろ』と止めに入った男性が切られたと証言しているとのことです。
梅田耕太郎さんは、容疑者がいた座席から2列うしろ(最後尾の座席)にいたようで、容疑者と、もみ合いになったと言います。
新幹線内の防犯カメラには、梅田さんが、女性に襲いかかった小島容疑者を止めようとして倒れた後、さらに女性を襲おうとした小島容疑者を再び止めようとして、数十回刺されたようすが映っていた模様です。
容疑者は「男性に犯行を邪魔されたから逆上してやった」という趣旨の供述をしていると言います。
ただ、もしかしたら、梅田さんが大きな犠牲となったため、他に切られることになった乗客がいなかった、逃げることができたとも考えられ、たくさんの人を守ったとも言えるかもしれません。
同じ状況になったとき、自分でもできるかと考えますと、わからないですし、そう考えますと、ほんと、大変勇気ある行動だと存じます。
警察では司法解剖もするようですが、お亡くなりになられました梅田さんとご家族・奥様には、謹んで心よりお悔やみを申し上げる次第です。

下記はツイッターにある情報をシェア(共有)させて頂きます。

小島容疑者の茶色のズボンは地だらけで、また指に傷がありるため、手当てなどを受けるため病院に移送されました。
むしゃくしゃしていた。誰でもよかった、と言う無差別殺人です。
とても許されることではありません。

問題なのは容疑者の家族です。
祖母が心配して、家出する際に、70万円入っている自分の口座のキャッシュカードを持たせたと言います。
長野県にいた際の3月、最初から誰かを殺害する目的で、ナタと果物ナイフを購入したと供述しています。
言葉が悪いのですが、そのお金で容疑者は、刃物を購入し、新幹線のキップも購入するなど、犯行に及ぶことができたのです。
結果的に他人を殺める結果となりました。

ご家族が他人を巻き込み、殺人を支援したと言っても過言ではありません。
逆に、家族は、小島容疑者が、犯罪を侵さないよう、監視するくらいの配慮する立場であるにもかかわらず、野放しにしたと言えるのではないでしょうか?
急に命を奪われて今後が無くなってしまった被害者やご遺族が不憫すぎます。

ひとつ言えることは、今回の事件を風化させてはならないと言うことです。
献花台を通年で設けるのはもちろん、JR東海の社員さんにも新幹線の乗客にも、こんな事件があったと言うことを、忘れさせないことが、より安全性を確保できることになるのではと考えます。
こんな事件を2度と発生させてはいけません。




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2019年11月28日、新幹線3人殺傷事件の初公判が、横浜地裁小田原支部(裁判長・佐脇有紀)にて行われました。
小島一朗被告(23歳)は「通路にいた人を殺そうとして、見事に殺しきりました」と自画自賛するように話し、重傷を負った2人の女性については「残念ながら、殺し損ないました」と述べました。
また、検察官が押収している、曲がったナイフを示し「要りませんね」と尋ねると、「もし有期刑になって出所して、また人を殺す羽目になったら、新しい物を買うので要りません」と語っています。

この殺人事件をきっかけに、JR東海などの新幹線では、運行中、車内で警備員が通路を行ったり来たり、巡回するようになりました。
また、防犯カメラだけでなく、乗務員も耐刃ベストなどの護身用具を身に着けるようになり、新幹線の車内には、暴漢から身を守る防護盾や医療器具も配置されるように安全面が強化されました。

裁判の判決

「刑務所に入るのは子どもの頃からの夢だったから、私もかなり調べたんですよ。できれば長く入っていたい。」と述べている小島一朗容疑者。
なんでも、模範囚を目指しているため、刑務所の中で、昇進できるよう、無期刑になりたかったと話していると言います。

犯行の動機を「無期懲役を狙った」「もし有期刑になれば、出所してまた必ず人を殺します」と話しており、一審で無期懲役を言い渡されると「控訴しません」と言い、万歳三唱して、刑を受け入れました。
仮釈放もよしとしないと、離しています。
<追記> 終身刑ではないため、無期刑だと、10年を経過した後、行政官庁の処分によって、仮に釈放されることがある。ただし、現実的には、無期懲役の仮釈放までの期間は、30年~35年以内が一般的。

何か新しことがわかりましたら、適時追記させて頂きます。




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参照元

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