鬼界カルデラの解説~また同じ噴火が発生したら大変な災害になる可能性も

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鬼界カルデラ(きかいカルデラ)は、鹿児島県の薩南諸島にある海底火山になります。
過去に何度も、火砕流(かさいりゅう)を発生させる、大噴火を起こしている火山地帯です。
約7300年前には、想像を絶する大噴火を起こし、幸屋火砕流が発生しました。
その時のカルデラが「鬼界カルデラ」と言い、薩摩・硫黄島と、竹島の南側は、そのカルデラの淵の高台にあり、海面から出ている山の頂上と言えます。
喜界カルデラの大きさは、東西約21km、南北約18kmの楕円形となります。
水深400m~500mの海底にあるため、普段は、見えません。




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ちなみに、阿蘇カルデラは、約24km×18km、屈斜路カルデラは、約26km×20kmですので、ほぼ同等と、世界的にも屈指の規模です。

火砕流は、大きく分けて「噴煙柱崩壊型」と「溶岩崩落型」があります。
1990年11月に、報道など43名が亡くなった、九州の雲仙岳の火砕流は、大量の溶岩が、一気に斜面に流れ落ちた、溶岩崩落型になります。

これに対して、喜界カルデラが、約7300年前に大噴火を起こした際には、巨大な噴煙柱が崩壊した「噴煙柱崩壊型」でした。
噴煙柱と言うのは、大量の軽石や火山灰が、火山ガスと一緒に、空高く噴き上げられるものです。
よく、火山が噴火した際に、火口から上空に、煙があがります。
その煙が、単なる、煙(けむり)の火山灰だけではなく、大規模な爆発などによって、大量の軽石も含んで、上空に上がったとお考え下さい。
しかし、やがて重力によって、一気に崩落し、高速・高温の流れとなり火山周辺に広がります.
規模によりますが、噴煙が柱状となって、最大で高度20000m~5万mに達する噴火は、プリニー式噴火と呼ばれるものになります。

西暦79年、イタリアのポンペイ火山が噴火したベスビオ火山の大噴火も、プリニー式噴火を起こし、そのとてもつなく大きな噴煙柱が崩壊した「火砕流」によって、ポイペイの街が焼き尽くされて、埋没しました。




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火山砕屑物や有毒ガスにて構成される火砕流は、摂氏700度の高温で、時速約80キロにて押し寄せます。
人間が、火砕流にあうと、高温の灰やガスを、吸引し、肺が焼かれて、窒息します。
もしくは、高熱によって、一瞬のうちに、即死することになります。
これに対して、火砕サージは、火砕流ににていますが、主な成分はガスだけとなります。

話を戻しますが、約7300年前の、幸屋火砕流(竹島火砕流)では、大規模な火砕流が四方に流れました。
海の上を、流れて行ったと言う事になります。
喜界カルデラから、薩摩半島までは、約50kmの距離です。
この幸屋火砕流は、海面を高速で流れて、九州に上陸するなど、給源から半径100kmの広範囲に及びました。
当時、九州南部で暮らしていた、縄文人は、壊滅したとされています。
火山灰に至っては、東北地方まで、達したと言います。(九州南部では50cmの火山灰、関西20cm、関東数cm)
雲仙普賢岳の火砕流が1だとしたら、幸屋火砕流は10万倍と言う、想像を絶する規模の大災害となりました。




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九州では、このような巨大火砕流が、1万年~2万年に、1度ぐらいの頻度で発生していることになります。
前回は、約7000年前と言う事が言え、現在は、いわば、静穏期とも言えます。

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