10連休と言う長いゴールデン・ウィークがあけて、新しい月でになった2019年5月8日、滋賀県大津市の交差点で、保育園児の列に車が突っ込み、園児2人が死亡した事故。
保育園側が開いた記者会見では、泣き崩れる園長に対し、一部の記者が保育園側を追及しているようにも見え、視聴者から批判が相次ぐ結果となりました。
大津で発生した事故は、直進のクルマに右折車が衝突し、跳ね飛ばされた軽自動車が、歩道にいた園児の列に突っ込んだ形となりました。
2名の保育園児が死亡して、園児1名が意識不明、もう1名の園児が重傷などです。
その日の夕方18時から、レイモンド淡海保育園が、状況説明の記者会見を開きました。
事故から僅か7時間後の対応であり、残りの園児や保護者などにも様々な対応をしなくてはならないなか、かなり無理して緊急に記者会見を開いたのは、大変評価に値します。
恐らく、園側としては、マスコミが園児や保護者などに直接質問を浴びせるような事が無いよう、ハッキリとわかっていることを説明し、色々な疑問にも答えようと真摯に向うために開いたものと存じます。
しかし、一部、会場にいたマスコミ・記者さんからの質問は、残念ながら、まるで保育園の対応が悪かったのではないか?と言う趣旨の質問もありました。
最初の質問はNHKさんで「亡くなったお子さん二人はどんな園児だったのか?」と聞いています。
良い質問ですし「ご存知の範囲で結構ですので、お答え頂けますでしょうか?」と、NHKの記者さんは丁寧に話をなさっています。
それに対して園長は「とても素直で、いつも笑顔を絶やさないお子さんでした」と語り「いつも、保育室に入ったら園長先生と言って、寄ってきてくれるのでかわいい子たちです」とハンカチで顔を抑え、涙を流しながらも「すみません、ごめんなさい」と、一生懸命、気丈に答えていました。
しかし、テレビ朝日の報道ステーションさんは違いました。
あえて質問者であるアナウンサーのお名前は伏せさせて頂きます。
泣き崩れている若松ひろみ園長に対して「今回の散歩では保育士がどういった体制・対応を行っていた?」と、保育園の対応がまずかったのではと責めているとも受け取れる質問になっています。
嗚咽している園長は回答ができず、代わり、副理事長が質問に答えました。
そんな園長に、更に応えて欲しいと、更に過酷な質問が続きました。
「園児たちにどんな声をかけたいか?」と、もはや不必要とも言える質問をしたのも、テレ朝報ステです。
園長は、何秒も答えることができず、ようやく「痛い思いをさせてごめんなさい」と、下を向いて泣きながら答えています。
読売新聞さんの場合、質問は多かったです。
また「今回の事故現場は昔から危ない場所だと認識しているのか?」と聞きましたが、普段から保育園が事故に注意しながら行動するのを徹底していたことを聞き出したように思います。
副理事長など、園側も、うまく回答したと思います。
もう、質問もこのくらいで良いのではと思いましたが、産経新聞さんが「事故の前の園児の様子は、いつもと変わらなかったか?」と聞くと、延長はテーブルに泣き崩れて、もはや回答するのは不可能になっています。
産経の女性記者さんは「交通量も少し多い場所だが、散歩コースとして避けるなどの認識は無かったのか?」と言う趣旨で聞いています。
今回の事故は、たまたま、歩道で横断歩道を渡ろうと待っていた児童らの列に、事故を起こしたクルマが突っ込んだわけです。
大人だって散歩する際には歩道を歩きますし、それは、子供たちでも、同じことです。
今回は、たまたま園児の集団がそこにいて、たまたま巻き込まれてしまった事故でして、保育園側に過失はほとんど無いと考えられます。
それなのに、この質問は、無いですよね。
交通量が多い所の歩道を歩いては行けないのであれば、都市部の保育園の園児は、もはや、どこにも散歩に行けません。
園から出たところが、道路であり、歩道で、その脇を車が通行しているのですから、別に、交差点でなくても、車が突っ込んでくる可能性はあります。
散歩と言うものは、幼児期の成長・感性の向上・発達にとっても、欠かせない要素ですので、やめる訳にも参りませんしね。
保育園も、これまで危ないと思ったことは無かったと答えています。
最後のほうに、質問をした女性記者の所属はわかりませんが「散歩は、何歳児から行っているのか?」と聞いています。
この記者さん、女性ですよね?
女性差別だと捉えられると、悲しいのですが、散歩は、赤ちゃんのときから、必要不可欠なものだと、ご存じないのでしょうか?
赤ちゃんでも、外気に触れる、自然の風にあたり、日光にもあたると言うのとは、とても大切なことです。
もちろん、園長・保育園側は、0歳児でも、ベビーカーに載せて散歩すると答えていました。
記者さんが勉強不足と言うよりは、あまりにも、常識がわかっていないと申しましょうか、まったくをもって、そんな質問に答える方も、無駄な時間な訳です。
最後にも、テレビ朝日の方は、交通量のある歩道であることを認識していたのか?と、保育園側を責めるような趣旨の質問をしており、園側も困りはてながら、子供の教育・育成には、外にでることは欠かせない事と、どうしても、歩道を歩かなくてはならないことを再度説明するに至り、意味のない、時間の無駄な質問が続きました。
その間も、若松ひろみ園長は、子供を守れなかったと言う自責の念で、まともに答えることができない状態でした。
とても、辛い時間を過ごすことになったと存じます。
園長さんは、途中で退席なさって休憩して頂いて構いませんよ、くらいの配慮をマスコミ側から申し出ても、良いくらいだったと存じます。
そんな園長は、最後には大きな声を出して嗚咽しており、もはや会見どころではないと、司会者さんの意向で、会見を予定より早く打ち切った状態となっています。
保育士と園児は、みんなで手を繋いで、歩道で信号待ちをしていただけです。
これら「悪意を感じる」「配慮にかける」ような質問をしたのは、繰り返しますが「一部」のマスコミです。
マスコミ・報道機関、すべてが、厳しい質問をしたわけではありません。
しかし、その一部のマスコミの方々は、ご自身が、逆の立場になった場合を、想像したことがあるのでしょうか?
しかし、人がしかも、幼い子供が2人も亡くなっているのに、このような質問ばかりしているのには、さすがにあきれてしまいます。
もっと、池袋の事故を追求するなど、公平で視聴者目線にたった対応もできないと、マスコミ全体が、悪いように感じられてしまうのではないでしょうか?
節度をもって対応し、もし、誤った対応があったのであれば、きちんと謝罪するなど、今後のマスコミの姿勢は、増々問われるのではと存じます。
”マスゴミ”と言われないために…
意識不明で重体だった2歳男児が、約40日後に意識回復したとの報道もありました。
本当によかったです。
最後になりましたが、レイモンド淡海(おうみ)保育園のお亡くなりになられました児童のご冥福をお祈り申し上げます。
また、ご遺族・ご家族・ご友人・保育園の皆様などに、謹んでお悔やみを申し上げます。
ケガをされたお子様や保育士さんも、一日も早いご回復をお祈り申し上げる次第です。