韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊P1哨戒機を攻撃しようとした問題

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韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制用レーダーを予告なく照射した問題。

ことは、年の瀬も迫った2018年12月21日午後15時頃起こりました。
場所は日本海・能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内の公海上です。
無線で駆逐艦に意図をただしましたが、応答がなかったと言います。

火器管制レーダーと言うのは、駆逐艦などの水上艦艇に搭載されているもので、攻撃目標との距離・方角・高度などを測定する射撃用レーダーとなります。
ビーム幅を狭くして、ピンポイントで電波を目標に当て、詳細な目標情報を得るため使用するのが火器管制レーダーで、得られた情報をもとに瞬時に対空ミサイル発射、艦載砲などでの射撃に用います。

一方、攻撃を受ける側の軍用航空機には、攻撃にさらされる危険を少しでも回避できるよう、レーダー照射を受けたら警報が鳴り、攻撃目標になっていると分かる逆探知装置を搭載しています。

通常任務中には、通常の警戒用レーダーを常時、発して接近する航空機や艦艇を警戒しています。
しかし、レーダー照射は、自らに向かって来る敵の航空機や艦艇を攻撃する目的で当てるものです。
また、火器管制用レーダーは、迎撃ミサイルを発射した後も、軌道修正するために、移動している攻撃目標に対して、照射しずっと続けるです。
自動追尾をされると言う事は「ロックオン」されるということであり、自衛隊側が他のレーダー照射と間違える可能性は低いです。
このレーダーを照射されると言う事は、撃墜される危険が高まった。
攻撃を受ける直前の段階まで進んでいたと言う事です。
P1哨戒機は、通常の警戒任務で、ハープーンなどは搭載していなかったと思いますので、反撃することもできず、搭乗員の間では、かなりの緊張が走ったものと推測致します。

P1哨戒機は海自の第4航空群(厚木基地)の所属で、単機で通常の警戒監視活動中でした。
洋上には、韓国海軍駆逐艦と韓国海洋警察庁の警備救難艦、合計2隻がいるのを確認しています。
韓国の駆逐艦は、2006年には海上自衛隊などリムパック(環太平洋合同演習)にも参加し、横須賀港にも何度も訪問している、DDH-971広開土大王駆逐艦(3200トン)のようで、対空ミサイルのシースパローも搭載しているとみられます。

自衛隊機が、韓国の領海や領空に侵入したのであれば仕方ないですが、火器管制レーダーによる電波照射は、通常、公海上では行いません。
敵対行為と見なされる可能性があるからです。
国際法では、照射された側が先に攻撃したとしても、何ら問題はなく、アメリカ軍が同じことをさけたら、自らを守るため、即座に反撃(攻撃)に出ます。
自衛隊では相手国に遠慮して、そこまでしていませんので、中国艦艇からも火器管制用レーダーを浴びことが多々ありましたが、まさか、韓国軍から同じことをされるとは想像もしていませんでした。

韓国の行為は非常識であり、自ら友好国ではない、日本は敵だと、国際社会に対して証明したのと同じです。
少なくとも軍事的には、日本と韓国は仲間だと思っていましたが、今回、100%裏切られました。

韓国メディアでは「射撃統制レーダーは「STIR-180」は遭難した北朝鮮船舶捜索のためで、海自の哨戒機を狙ったわけではなく、日本が誤解している」「日本の反応は多少、度を越している側面がある」と報じていますが、故意に操作しなければ、起こりえない事案です。
日韓関係が悪化して喜ぶのは中国ですし、自衛隊員の命もかかっていますし、不適切ですとか、間違えたでは済まない問題です。
船舶を探す海上捜索であれば、通常のレーダー(対水上レーダー)で十分であり、火器管制用レーダーを使用すること自体は宣戦布告とみなされるものであり、それこそ過剰な行為になるかと存じます。
例え、誤解だったとしても、誤解を招く行為は慎むべきであり、仮に誤解を生んだのであれば、即座に謝罪すべきです。
事件から17時間経過した執筆時点でも、韓国側から正式な謝罪などはないようです。
最初から素直に過ちを認めて、丁重にお詫びをすれば、日本だって次からは事前に捜索のため使用するなど通告してねで、終わります。
しかし、なぜ、詫びることができないのか?
日本が何度も誤っている諸問題を、いまだに謝罪が足りないと主張しているから、全く関係ないことでも韓国側から謝罪するのに抵抗があるのか?
もはや、意図的にレーダーを発射したと受け取られても仕方ありません。
これで友好国家では無いことがはっきりしたものと考えます。
今後、韓国政府とは隣国の友人ではないとして、対応していくしかありません。
そもそも、世界中見ても、隣の国同士は、仲が悪いことが多いので、これが普通の国際情勢なのでしょう。

韓国側の説明では「駆逐艦上空を飛行し、威嚇飛行をしたのは、むしろ日本の海上哨戒機」「無線で国籍と正体を明らかにしなかった」と逆に日本を非難しており、あきれてモノが言えません。

そもそも、日本側は火器管制レーダー(MW-08)が作動していたことを問題視しています。
しかし、韓国側は射撃指揮レーダー(STIR-180)は作動させていないと反論しており、話がかみ合いません。

また、韓国海軍の行為はCUES:Code for Unplanned Encounters at Sea(洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準)に反しています。
2014年に採択された内容では「火器管制レーダー」を遭遇した航空機に対してシュミレーションしてはいけないとあります。
すなわち、ミスでしたら、きちんと謝罪するべきなのです。

防衛省の説明は下記のとおりです。

(1)電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認した。
(2)海自機は駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はない。
(3)3つの周波数を使って駆逐艦に呼びかけた、などと韓国側の主張に反論。岩屋毅防衛相は記者会見で、当日の天気が悪くなかったことや、駆逐艦と海自機の距離が遠くなく「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と、英語で3回も呼びかけた。

仮に捜索のために射撃管制レーダーSTIR-180を稼動しようとしたのであれば、レーダービーム放射方向の前方にある航空機が脅威を感じないように、事前通告するべきです。
この海域には、北朝鮮のせどり防止のため、日本機だけではなく、アメリカ軍、カナダ、ニュージーランドなど友好国の海上哨戒機が日本海を飛んでいます。

韓国メディア「月刊朝鮮」によると、2013年7月10日に韓国のP-3に搭乗取材した際に「目視識別のために高度を100mまで下げた」「外国の艦艇監視のため高度60mで接近飛行する」とあります。
日本のP1が、高度150m、距離500mは威嚇だと主張する韓国の話は、ここでも矛盾します。
韓国海軍の哨戒機部隊は、外国の艦艇に対して、今回のP-1よりもはるかに低い高度を飛んでいるのです。

更に防衛省の発表によりますと、航空自衛隊のP1哨戒機が撮影した韓国・駆逐艦の映像には、すぐ近くに北朝鮮籍とみられる漁船が映っていたとのことです。
既に救助したか救助をこれから開始するにしても、北朝鮮漁船は目視できる距離にいたと考えられます。
そうなりますと、韓国側の説明にある、遭難した北朝鮮の漁船をレーダーで探索していたが、火器管制レーダーは使用しておらず、電波が海自哨戒機にあたった可能性はないとの主張は矛盾することになります。
目視できれば、わざわざレーダーを使用して捜索する必要が無いですからね。

日本の軍事力は、このように周辺国の軽率な行動により、強化されていくのです。
将来的に、専守防衛の原則を放棄することになっても、韓国や中国は、文句を言えないのではないでしょうか?

また、防衛省は救助・救難活動していたなら、なぜ日本の自衛隊や海上保安庁が救難信号を受信できていなかったのか?韓国側の主張を疑問視しています。

韓国の国防部の発表には、一貫性がありません。
最初、韓国国防部は、韓国の記者に向けて、メールで「レーダーを使った」と言っていました。
そのため、火器管制レーダーも使ったが、北朝鮮の漁船を救助するためだったと、韓国メディアは報じています。
ところが、後になって火器管制レーダーは使用しなかった、カメラを向けたが電波は出していないと、意味が変わっています。
てんで、主張が変わっています。
通常、火器管制の光学カメラを向ければ、自動で下記管制レーダーも照射されます。
すなわち、電波を照射していたとしか、考えられません。
それなのに、韓国の国防部が発表するウソ話を、信じ切って「日本が悪い」と言っている韓国の国民が非常に不憫でなりません。

日本も、軍国主義と言われた時代、大本営が発表する内容を、国民は信じてしまっていました。
その結果、どうなったかは、皆様よくご承知のとおりですので、2度と同じ過ちをしてはいけません。
そのため、私も、賛成意見、反対意見と様々な情報に接して、総合的・客観的に物事を判断するようにしています。
今回も、韓国側の発表を何度も目にしましたが、日本側の提示と照らし合わせて、どうしても、韓国側の主張が正しいとは思えません。
事実を示した発表ではないもの、すなわち「ウソ」を信じてしまうのは、とても危険です。
その点、日本の防衛省は、事実の映像をきちんと発表し、ウソを言っていないことを裏付けています。
それすら、ねつ造だなどと言うのであれば、韓国の将来がとても心配になってしまいます。

別に日本のことが、嫌いでも構いません。
好き嫌いは、誰にでも、あり得る事ですのでね。
ただし、嫌いだからと言って、日本が言っていることを最初から信じないではなく、一度は、本当かな?と、韓国国民の個人個人が確認・検証しないと、間違った判断をすることもあるかと存じます。
正しい判断ができないと言う事ですと、韓国は北朝鮮の口車に乗ってしまい、そのうち飲み込まれて、韓国国民は北朝鮮の指導下にて暮らすことになるのではないでしょうか?
余計なお世話だと言われてしまえば、それまでですが・・。