電力自由化の結果「日本でも普通に停電が起きる時代へ」2022年度冬の電力不足考察

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日本の冬の電力不足に関して。

なんで停電なんて事態になってしまうのか?の理由ですが、複数の要因があります。
まず、火力発電所の老朽化による廃止がひとつあります。

1機4000億円もする原子力発電所をたくさん要していても、ほんの一部しか稼働させていないと言う、もったいない状況もしかりです。
あとは、日本はすでにソーラー発電(太陽光発電)で昼間は最大時で40%くらいの電力発電を依存しています。
でも、冬に太陽光は弱いなどの夏ような発電量を得られませんし、曇・雨などの天候時にはほとんど役に立ちません。




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とは言え最大の問題は天然液化ガス(LNG)の世界的不足によるものです。
<注釈> 日本の火力発電所の70%はLNGのガス発電。

中国での発電にてLNGが増えていると言うのも、燃料不足の要因のひとつです。
そのため、ウクライナを支援する国も、ロシア産天然ガスを締め出せずにいます。
オーストラリアのLNGプラントが2023年3月まで修理中と言うのも日本に響いています。
更には、日本へはパイプラインを通しにくいので、わざわざ冷却・液化して海上輸送したうえでタンクで貯蔵(在庫)する必要があるのも効率を悪くしています。

電力会社や政府は「節電」と呼びかけますが、これまで節電は行ってきています。
実際に電力消費量は毎年落ちてきていますので、これ以上、更にできる節電はあまり残されていないとも言えます。

本来であれば「安定供給」と言うのは供給する側(企業)の最大使命です。
例えば、医薬品でもそうですが在庫を切らすと、人の命にもかかわる一大事となります。
そのため、製薬会社も薬の生産が滞らないように最大限努力し、在庫していつでも出荷できる体制を整えています。

しかし、日本では電力自由化によって、日本社会における電力の安定供給に責任を負う主体が存在しなくなりました。
すなわち、安定供給を心がける会社がないのが現状なのです。
電力自由化前は、東電などが赤字を覚悟してでも、発電所を増やして安定供給を優先していました。
電力自由化で価格競争が生じたため、電力会社は倒産しないよう、今は採算が取れるか?が経営方針です。
完全に国策の誤りですね。
1990年代後半にいち早く電力自由化を行ったアメリカでも、電力自由化後に大規模な停電が発生しています。

まぁ、基本的に世界では停電があると言うのは普通の事です。
日本は年間通じて停電がほとんど無いような優秀な電力会社が供給していた(その分電気代も高かった)のはすでに昔の話と言えます。
よって、今回に限らず、日本でも世界と同じように停電する機会は増えて来るでしょう。
しかし、電力自由化したのに、電気代は下がないどころか、更に値上がりしています。
今の状況てはEV(電気自動車)推進など無理だと感じます。
沖縄と北海道は電力足りているので、融通できないと言う色々なシステムの問題もありますが、このような停電が起こると予言できながらも対策を講じてこなかったツケと言っても過言ではありません。

批判するだけでしたら誰でもできますので、自分なりに考えた打開策も記載しておきます。

天然資源がない日本はやはり厳しいです。
となるとやはり自給率を増やすしかありません。
石油・ガスは当然無理でしょう。
石炭はまだ掘ろうと思えばできますが、温暖化を考えますとあまりやりたくありませんし、採算は当然取れません。
風力発電を増やすと防空レーダーの電波障害が増えますので、困っている航空自衛隊や国防のためにも風力はあまり増やしたくないところです。
太陽光は晴れた昼間は良いのですが、年間通じての安定供給には不向きです。
地熱は増やしたいところですが発電量は少なく、設置できる場所も多くありません。
となると、残されるのは「水力」だけと言えます。

日本はダムだらけですので、大きなダムは、もはや作れる場所も限られます。
よって、水力と言っても中規模・小規模に、川の落差がある箇所に導水管を地中に通した発電設備であれば、まだまだ増やせるところはあると思われます。
ただ、頑張っても民間の力だと10箇所で1万kW程度でしょうから、原発1機分の出力を得るためには、1000箇所も作らないといけない。

2022年度(冬)の電力不足は約200万kW。
これを新たな水力で賄う場合には、川に2000箇所も水力発電を設置しなくてはならないと言う事になります。
当然、1年や2年で完成できる話ではないです。
となると、現状としてはやはり、原発再稼働が一番手っ取り早いですね。




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2機ほどの原発を稼働させるだけで、足りない約200万kWの電力が得られる計算なのです。
もし、日本の原発全部稼働できれば3308万kW。
200万kW足りないと言うのに、今ある設備を動かせないのはほんとうにおかしな話だと感じます。
日本は電力を生産できる状態なのに、電力不足と説明するのはおかしいんですね。
必要があれば原発をきちんと動かし、そのうえで脱原発を目指すため、新しい電力発電方法を整備していくと言うのが本来あるべき姿ではないでしょうか?

もちろん事故があれば放射能の危険性はありますが、それは最初からわかっていたことであり、最近になった判明したことでもありません。
特に原爆を落とされた日本人でしたら、原子力の怖さを他の国よりも理解しているはずです。
もし、危険だからと原発に反対するのであれば、建造される前から反対活動開始しないと意味を成しません。
東日本大震災のあとに脱原発などと反対に加わった方がもしおられる場合、ご自身の知識がそれまで不足していた訳でして信用するに値できない可能性があります。
あと出しは、誰でもできますので、そんな方ではなく、もっと昔から反対活動をなさっていたと信じたいところです。
また、反対する団体などは、反対するだけでなく、どうしたら原発に頼らなくて済むか?と言う代替案を出すなど「改善策」をもっともっと前面に提示するべきです。
そうしないと、いつまでたっても、原発はなくなりません。

ちなみに、選挙、与党には投票していません。