日本の防衛費を増やす前に本当に効果的なのか?考えてみて頂きたい

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自衛隊が想定している戦い方を皆様ご存知でしょうか?
これが100%正しいとはもちろん申しませんが、概ね下記の通りです。

敵が攻撃してきたら、防衛出動を行い敵に進撃を留め、時間稼ぎを行い、友好国の軍隊到着を待つ。

以上が自衛隊の対処法と言えます。
要するに、中国などの大国相手に、もはや日本単独で防衛するのは無理です。
物量や兵員数も日本の方が劣ります。
よって、敵が攻めてきたら、他国の増援が到着するまで、なんとか持ちこたえるというのが自衛隊の戦い方になります。
優秀な兵器を所有していても、ミサイル・弾薬の備蓄が日本は少ないので、長期になると戦えないためです。
当然、石油といった根本的な資源も日本は輸入に頼っていますので、そもそも長期戦は無理です。

100%徴兵制には反対です。
仮に徴兵期間が1年だけだったとしても、戦争に備えるためとは言え、若者の貴重な1年が失われるのは心苦しい。
しかし、人員不足の自衛隊が徴兵もせずに、単に防衛費だけを増額すると言うのは「効果」を考えますと薄いのではと感じます。

戦争になった場合には、とにかく「人」の数が必要です。
今の自衛隊では愛国心が高くても人手不足であることには変わらず、戦争になっても満足に部隊を運用できない可能性があります。
必要な戦闘部隊の定員を満たすために隊員を集約させても、後方支援や整備で人手不足となるため、1週間もすると補給や整備が回らなくなります。
ただ、これは日本に限った問題ではなく、ロシアがウクライナで戦っている状況などを見てね、多くの国が兵隊の人材不足に悩まされていると言えます。
この人材不足を最高指揮官がどれだけ事実として認識しているのか?も重要です。
最前線で戦う兵士を送れても、補給・整備まで人手が充分に足りていないんですね。
そのため、進撃開始しても、途中からうまく進まない。
アメリカも同様に軍隊は人が足りないところがあります。

なので、人手が足りないとわかっている海上自衛隊も、僅か90名で、しかもローテーションを組んで運用するFFM「もがみ型護衛艦」と言う、少人数で運用できる戦闘艦を導入するなど、少ない人員で運用できるよう工夫をはじめています。

日本経済が悪いのも含めて、根本的には「少子化問題」に対して真剣に取り組んでこなかった政権の責任と言えます。
国家存亡の危機に対する対処をしてこなかったと言っても過言ではありません。

ただ、中国やインドは人口も多く、当面、人材不足はないと言うのが日本にとっては厳しいところです。
そのため、前述したとおり、個人的に徴兵には大反対ですが、国家レベルで物事を考えれば、徴兵もやむなしと言う状況に来ていると思います。
もちろん、平和ボケしている日本ですので、徴兵の法律を通すのはかなりの困難だと思われます。
首相のリーダーシップがよほど強くないと国会を通せないでしょう。
しかし、そこまでしないと防衛は無理だと思いますので、単に防衛費を増やしただけでは効果は限定的になってしまうと考えられます。
そのような意味では、共産党独裁の中国は無理やり国家優先にできるため、やはり強いと感じます。

それでも、防衛費を増やすのであれば、無人の攻撃機を開発する、対空/対艦ミサイルの備蓄を増やすなど、人をあまり必要としない兵器に投資を集約するしかないと言ったところです。
しかしながら、無人攻撃機も、ミサイルも管制などは人がオペレーションしますので、結果的に人は必要ですし教育も伴います。

それらを考慮致しますと、日本の防衛の場合、敵を本土に「上陸させない」と言うところまでが限界だと感じます。
ウクライナがロシアに対して善戦しているとは言え、実際には国土の2割を失っています。
その2割の街は焦土と化しました。
ロシアは苦戦しているとは言え、このまま戦争が終れば、歴史的にはロシアの勝利となります。
しかし、ウクライナが降伏せずに善戦しているのは、ゼレンスキー大統領が国外逃亡することなく、首都に留まって指揮しているからです。
リーダーシップを発揮しているからだと言えるでしょう。
でも、日本の政治家が、そこまでの覚悟があるのか?
領土の20%を失うと言う大きな犠牲を払ってでも、勝利を信じて戦い続ける意思があるのか?
戦争ではこの「継続する」と言う部分の判断が難しいのです。
日本は良くも悪くも、抑止力となる「核兵器」を持っていないため、敵国は安心して攻撃できると言うところもあります。
更に、自衛隊も敵国の本土まで爆撃できる攻撃能力は持っていません。
よくよく考えたら、日本はおかしな国ですね。
第2次大戦で負けたと言うのが何十年たっても尾を引いている訳ですので、そのような意味では本当に戦争をしてはいけません。
ただし、戦争をしてはいけないと言うのが、他国は日本ほど考えていません。
そして、平和教育を受けている日本人が、敵の侵略に対して団結して死ぬまで戦うとも考えにくいです。

戦国時代の歴史を見ても、侵攻を受けて拠点(城)が攻撃されたら、全滅すると言うよりは降伏することのほうが圧倒的に多い訳です。
兵士も人間ですので、士気も下がれば敵の捕虜になります。
そのため、日本の場合、首都陥落などではなく、どこかに上陸を許したら「降伏しよう」と言う気運になるのではと勝手に推測しています。
そのため、日本の場合、とにかく上陸を許さないと言うこの1点に尽きると存じます。

核攻撃は、よっぽどなことが無い限り、発生しないと推測しています。
戦争を起こす国は、相手国の経済(工業力・技術力)や資源を手に入れたい訳です。
放射能汚染させてしまうと、その本当に欲しいものが手に入りにくくなる可能性があります。
よって、核武装はほんと「抑止力」だと思います。
そのような意味では、日本も「抑止力に限定する運用」として1発や2発だけでも良いので核武装はしても良いのかな?と感じます。
ただ、核兵器も国会通らないですね。

徴兵も核武装も無理など、本当に必要性が高いところができないため、単に防衛費の予算を増やしても、その効果はあまり期待できない訳です。
それだったら、逆に防衛費を削って、攻めてきた方が悪いと言う環境づくりを目指したほうが得策なような気が致します。
どんなに優秀な兵器を増やしても、やられる時はやられます。
そんな予算があれば、今からでも少子化対策に本腰を入れるべきだと感じます。
20年後の日本の為に・・。